山は変わらず、樹木も長く…。

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いいえ、この山は毎日噴煙を上げ、
わたしにも噴火の記憶があります。
江戸時代には大噴火をしていますし、
数万年のうちには山体が変わるような超大噴火も繰り返しています。

雪のついた手前の樹木。
江戸時代の大噴火を生き抜いたのでしょうか。
そんなには生きていないかな。


「樹木、落ち葉、バクテリア・・・
　命のつながりですね。
　それぞれが役割を持って、どれも大切なもの
　大きな時間の流れの中を
　小さな時間がたくさん流れていますね。」

これはしばらく前にいただいたコメントです。

時間も相対的なもので、終わりがあるかもしませんが、
わたしの尺度で考えれば、
一様に変わらず流れ、終わりもないそんなイメージですね。

そんな時間の流れの中をわたしは生きていて、
わたしの持ち時間のようなものがあるわけです。
６０年かな？７０年かな？
わかりませんが…。

同じようにして動かないように見える山にも
生があって、変化があって、死もあるでしょう。

わたしに比べ長命な樹木だってもちろん寿命があります。

星も、山も、樹木も、動物も、草も、カビも、バクテリアも、
みんなそれぞれの寿命があり、
彼らなりの時間を持っています。

わたしが踏む森の土、
わたしの足の下には何億もの命があり、
その数だけ時間が流れているのですね。

そうした個々の時間の重層の中で、
支えられ、絡み合い、犠牲にしたり、されたりしながら
またわたしの、そしてそれぞれの時間が流れていることでしょう。
それぞれがそれぞれの役割を持ち、
どんなに小さなものでも大切なものであり、
大きな時間の流れの中で必要なものなのでしょう。

そんなことを思いめぐらすと、
思いが飛躍しつつ、広がり、収拾がつかなくなります。
それこそ時間が瞬く間に過ぎ去っていきますね。

わたしはそうした時間の中に生かされているのですし、
多くの時間を吸い上げ生きているのでしょう。
そして、わたしもやがてわたしの時間を
多くのものたちに分けて、姿をなくすのでしょうね。

いま、わたしがそうしているように。

姿を変えて、生きていくことなのかもしれません。

そんなことを思うと、死も恐ろしくはありません。

そう、かえって灰にされ、閉じこめられてしまう方が
恐ろしいことのように感じられます。


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