
わたしの上司の一人に暖簾さんがいます。
この暖簾さん、どんな風が吹こうが平気、
ふぅらふぅら、なびくことはあっても
必ず自分の体勢にさらりと戻ります。
あまりのなびき加減に頭に来て、
パンチを浴びせる人もいるけど、無駄な努力。
ふわりと受け流されて、
ただただパンチを出した人の一人相撲、
疲れるだけです。
「『暖簾に腕押し』だから、無駄なことはしない方がいいよ」
って、わたしがいつも忠告してます。
でも、彼はまだ若いから、黙っていられないんですね。
相手にしないことにしていたわたしも、
今日はあまりのことに押してみました。
疲れました。
「ごめんなさい。ごめんなさい」
と暖簾さんは言います。
でもね、謝ればいいんでしょうという感じで
軽い口先だけなのが見え見えなんです。
きついパンチを何発も繰り出したつもりだったけど、
結局、わたしだけ疲れた感じ。
あんまり頭に来たから、埋めてしまえって、
スコップを持ちだし、穴を掘りました。
縦80cm、幅3m、深さ20cm。
まぁね、本当はお仕事で必要で明日掘る訳だったんだけど、
どうもお天気が悪そうなので、
腹立ちまぎれに今日、掘りました。
もちろん暖簾さんを埋めるつもりで掘りましたが、
スコップで後から殴ったり、
その妙にひらったい穴に寝かせて、土をかけたりはしませんよ。
がむしゃらに掘ったら、腰が痛くなりました。
やはり暖簾さんをまっとうに相手にしてはいけませんね。
次からはいつもどおりさらりと分けて、
向こう側に行きましょう。

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