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今、私の係には1名定員外の人がいます。
病気なんだけど、本人は一応働く意欲があるらしく、
通勤することもできるので、
以前に居たことのある私の職場へ、
これまた一応本人の希望で配属になったようです。
とは言え、まともな仕事はできないし、
一人で出張することもできないし、
簡単な作業でも作業工程が何段階もある仕事はできないので、
定員外になっているのです。
もちろん定員外だから何とか我慢もできるし、
何とか許せるわけだが。



彼は私が勤めだしたころ同じ課にいました。
きびきびと動き、人の心を掴むのがうまい、
気の利いた、そして運動神経も良い、いい先輩だったのを覚えています。

その後、しばらく経って、彼が40代後半のころ、
同じ係で仕事をしました。
若いころの記憶があまりにも良かったので、
わりあい期待していたのだが、ぜんぜん仕事ができなかった。
やがて上司が怒り出し、彼には仕事をさせず、
二人分の仕事を私がこなしていました。

そのとき、上司は仕事のできないやつという認識でしたが、
私はこれはもしかして病気?って感じていました。

もちろん、一年で追い出され、その後も一年ずつあちこち転勤させられ、
そのたびにどうしようもないと言う噂が聞こえてきていて、
そして、いよいよ私のところに来てしまったわけです。

前の職場で、いよいよダメだと言うことで医者に行かせ、
精密検査をさせたらしいのです。
そうしたら、若年性の痴呆だと言うことがわってしまっいました。

だからといって、首を切れないのは大きな組織ゆえ。

まぁ、だからこそ私のような者も活かされているのだが…。


はっきり言って疲れます。
曲がりなりにも一緒に働くのは。
定員外だとはいえ、
彼の面倒を見るのに0.5人分くらいは人員を割かなければならないから。

しかし、いつ自分がそうなるかわかりますか?

もしかしたら、自覚していないだけで、
すでに徴候があるのかも知れません。

そうだとすると、行く道はおぼろげに見えてきます。

自分では悪いと自覚することもままならない訳ですから、
自死することも思いつかず、
惚けて、人の手を煩わすことになるかも知れません。

それは、本人はわからなくなっているのですから、平気じゃない
っていう人もいますが、
そのことを今、まだ思い描ける頭で考えると、
ものすごく恐ろしいことです。

惚けたとき、私は女性になるのか、男性になるのか。
それすらわかりませんが、今女性だと思っている以上、
男性として扱われ、
惨めな残生を過ごすのは許せることではありません。

だからこそ、そうなる前に女性側に一方付いていたい、
と言うのが私の気持ちです。

しかし、自分がわからなくなったときに、私はどう振る舞うんだろう。

女性の身体で、
長く身についたとおり男性としての振る舞いをしてしまうのか、

それとも男性のままの身体で、
長年の憧れであった女性として振る舞うのか。

いずれにしろ老衰よりは早く、それでいてものすごく緩慢に、
死に向かって行くことは間違いなく、
動けるくせに意識が濁ってしまうことに恐怖を感じます。

若い人がうらやましい。

どういう女性になろうか、
どういう風に女性になろうか、
どんな女性としての生活をしようか、
明るく前向きな未来が広がっている。

しかし、私はもうそれは望めない。
問題は、
どう老いるか、
どう死ぬか、
である。

私は緩慢な死を恐れる。

   
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休みのたびに山歩きしています。深い森に住むニンフになれるかな。森から森へすべるように歩き回れるそんなニンフがいいな。黒紫が似合い、美しく、森へ入り込んだ人を惑わすようなそんなニンフになりたいって思います。


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